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顕微鏡撮影におすすめのカメラとその理由

医療・研究から産業分野まで様々な現場で使われている顕微鏡ですが、観察している像を画像や動画として記録したいと思ったとき、どんなカメラを導入すればいいのか迷っていませんか? そもそも顕微鏡に詳しくないから余計に分からない… という方もいらっしゃるかと思います。

結論から言うと、顕微鏡撮影にはミラーレスカメラやコンパクトカメラなどのコンシューマ向けデジカメがおすすめです。その理由を順を追って解説していきすので、機材選びの参考にしていただければ幸いです。ページの最後には具体的なおすすめ機種もご紹介します!

1. 顕微鏡撮影用のカメラとは?

顕微鏡撮影用のカメラには大きく2つの種類があります。

1つめは、PCやモニターに接続して使う箱型(筒型)カメラ、もうひとつは、市販のコンシューマ向けデジタルカメラです。(その他、iPhoneを使って撮影する方法もありますがそれはまた別記事で)

箱型(筒型)カメラ(以下箱型カメラ)
箱型カメラは入手しやすい安価なものから高価なものまで様々ありますが、基本的にカメラ単体では使用できず、USBケーブルでPCに接続しソフトウェアで制御するかたちが一般的です。ソフトを使用するにはやや専門的な知識が必要なこともありますが、その分本格的な分析や計測が行えることが特徴です。

コンシューマ向けデジタルカメラ(以下デジカメ)
デジカメとは、キヤノン、ニコン、ソニー、OM SYSTEM(旧オリンパス)といったカメラメーカーが一般向けに販売しているデジタルカメラです。最近人気のミラーレスカメラや、手軽に使えるコンパクトデジカメなどですね。誰でも直感的に使いやすい操作系に、プロの要求も満たす高い撮像性能が魅力です。一部カメラではPC制御することも可能です。

2. 顕微鏡撮影にデジカメがおすすめな5つの理由

顕微鏡用のカメラというと、箱型カメラの方が一般的かもしれません。少し調べたでもさまざまな箱型カメラが出てくるので、正直迷ってしまいますね。

箱型カメラはイメージセンサーとUSB端子(もしくはHDMIなどの映像端子)を備えただけのシンプルな設計です。カメラ本体にはモニターや操作用のボタンなどは基本的にありません。元々のベースは監視カメラなどの用途に作られたものなので、カメラ本体とは離れた場所でモニタリング・コンピューター制御するような仕組みになっているんですね。そのため、PCに接続する場合には制御ソフトウェアのインストールや、OSに応じたカメラドライバーのインストールなどの初期設定作業が必要になります。また専門的な用途に使える多機能製ゆえに、ソフトのインターフェイスも複雑に感じるものが多いのも現状です。

正直ここまで聞いて、難しそうだな・・・と思いませんでしたか?

デジカメなら誰でも簡単に顕微鏡画像・動画を撮影できるので、使用者に優しく、安定して記録の保存が可能になります。 そんなデジカメの顕微鏡撮影における”おすすめポイント”を5つご紹介します↓↓

おすすめな理由①・・・操作が簡単

シャッターを押せば写真が撮れるという明瞭さはデジカメの大きな強みです。加えてほぼ全てのカメラが、常に最適な設定に自動調整してくれるプログラムオートモードを搭載しています。難しい設定は必要なく、誰でもシャッターひとつで最適化された顕微鏡像を撮影できちゃいます。現場によっては使用者全員が撮影機材に精通しているとは限りません。技術指導の手間もかからず、画像の品質も安定する。まさに「使いやすいは正義」ですね。

おすすめな理由②・・・高解像で大きなセンサー

箱型カメラはその特徴として、センサーサイズが小さく解像度の低いものが一般的です。対してデジカメのセンサーサイズは大きく、解像度も圧倒的に高いという特徴があります。これにより撮影範囲が広くかつ高画質な顕微鏡像を撮影できます。前述の通り箱型カメラのベースは監視カメラ用途に作られたものなので、24時間365日駆動しても熱をもたず省電力な、小型で低画素のセンサーが採用されています。一方で近年のデジカメはより高品質な画像・映像を追求するために、高画素化・センサーも大型に進化してきました。長時間連続で録画をしたいという場合は前者の方が向いていますが、広くきれいな顕微鏡像を撮影したいということであればデジカメがおすすめです

箱型カメラ デジカメ
画素数 100万画素〜500万画素 程度 1,200万画素〜2,620万画素
センサーサイズ
1/2.3(5.9×4.4mm)〜1型(13.2×8.0mm) APS-C(23.4×16.7mm)〜フルサイズ(36.0×24.0mm)
おすすめな理由③・・・機材周りがシンプルになる

箱型カメラはカメラ本体にモニターやボタン類を搭載していないため、PCやモニターなどを別途用意しなければならず、顕微鏡周辺の機材構成が複雑になりがちです。デジカメであれば、本体に搭載されたモニターとボタンで操作できるため、完全スタンドアローンで使用できますPCコントロール接続が可能な機種もあります)。

おすすめな理由④・・・カメラ単体でも使える

デジカメは、顕微鏡から外せばカメラ単体での撮影が可能です。顕微鏡像だけではなく、サンプルのマクロの写真、サンプルを採取した場所の写真、サンプルのラベル情報の写真など、検査・研究・調査などに関わる画像・映像記録を一括で撮影・管理することができます

おすすめな理由⑤・・・長期的な安定性

PC上のソフトウェアで制御する箱型カメラには、PCアップデートの問題が付きまといます。「昨日まで使えてたのに、アップデートを行ったらカメラを認識しなくなった・・・」といった事態を経験されている方も多いのではないでしょうか。セキュリティーの観点から定期的なアップデートが必要不可欠になった昨今においては無視できない問題です。対してデジカメは、先述の通りカメラ単独で稼働するため周辺機材の影響を受けることはありません。データの受け渡しもSDカードやUSB接続で行えるため、物理的な安心感がありますね。

いかがでしたでしょうか。以上のことを踏まえ、実際に顕微鏡撮影におすすめのデジカメを2機種ご紹介します

3)顕微鏡の接眼レンズ部へ取り付けるのにおすすめのカメラ

専用アダプターを使うことで、顕微鏡の接眼レンズを外した”接眼部”にデジカメを取り付けることができます。 接眼部へ取り付けるカメラは小型で軽量なOM SYSTEM(オリンパス) TG-7 がオススメです。防水・防塵・耐衝撃性能に優れ、あらゆる現場で安心してお使いいただけるのも魅力です。レンズ一体式のコンパクトデジカメなので、顕微鏡から取り外せばすぐ一般撮影が可能なのも使い勝手が良いです。カメラ単体で顕微鏡並みの拡大接写撮影ができる「顕微鏡モード」を搭載しているので、顕微鏡では覗けないような場所も拡大観察・撮影できちゃいます。顕微鏡を使用する現場ととても相性の良いカメラです。外部モニター出力(HDMI)も可能です。

4)顕微鏡の三眼部(接眼部以外)へ取り付けるのにおすすめ

専用アダプターを使うことで、顕微鏡の三眼部(Cマウントや写真鏡筒、サイドポートなど)へデジカメを取り付けることができます。中でも最もオススメなのは、キヤノン EOS R10 です。タッチ操作が可能な可動式液晶を搭載しているため、設置場所に関わらず液晶を見やすい位置に動かせます。さらにEOS R10は、PC制御(USB or 無線接続)や外部モニター出力(HDMI)も可能です。デジカメならではの高品質な撮影性能と、箱型カメラのPC制御・モニター出力のメリットを両立したバランスタイプのカメラです。

5)まとめ

いかがでしたでしょうか。改めて、顕微鏡撮影にデジカメ(ミラーレスカメラやコンパクトデジカメなどのコンシューマ向けデジタルカメラ)をオススメする理由をまとめてみます。

デジカメの顕微鏡への取り付けにはマイクロネットの顕微鏡用デジカメ取り付けアダプターがおすすめです。デジカメの撮影性能を最大限に発揮する、歪み・収差を抑えた高品質な光学レンズアダプターです。上記の機種をはじめ、マイクロネットでは事前確認用の無料貸し出しも実施しています。そのほか、顕微鏡撮影について気になることがあればお気軽にお問い合わせください。


それでは、また次の投稿で。