fbpx

お役立ちコンテンツ

【解説】顕微鏡撮影におすすめのカメラとその理由

医療・研究から産業分野まで様々な現場で使われている顕微鏡ですが、観察している像を画像や動画として記録したいと思ったとき、どんなカメラを導入すればいいのか迷いますよね。そもそも顕微鏡に詳しくないから余計に分からない… という方もいらっしゃるか思います。

結論から申し上げますと、顕微鏡撮影にはミラーレスカメラやコンパクトカメラなどのコンシューマ向けデジカメがおすすめです。その理由を順を追って解説していきすので、機材選びの参考にしていただければ幸いです。顕微鏡についてあまり詳しくない という方にもなるべく分かりやすく解説していきますのでご安心ください。ページの最後には具体的なおすすめ機種もご紹介いたします!

1. 顕微鏡撮影用のカメラとは?

顕微鏡撮影用のカメラには大きく2つの種類があります。1つめは、PCやモニターに接続して使用する箱型(筒型)カメラ、もうひとつは、市販のコンシューマ向けデジタルカメラです。(その他、iPhoneを使って撮影する方法もありますがそれは別記事でご紹介します)

箱型(筒型)カメラ(以下箱型カメラ)は入手しやすい安価なものから、専門的な用途を想定した高価なものまで様々ありますが、基本的にカメラ単体では撮影できず、USBケーブルでPCに接続しソフトウェアで制御するかたちが一般的です。画像や動画をPCに保存でき、ソフトによっては計測や合成などの機能が使えるのも特徴です。もしくは、HDMIやビデオケーブルで接続してモニターに映像を出力するだけというシンプルな箱型カメラもあります。

コンシューマ向けデジタルカメラ(以下デジカメ)とは、キヤノン、ニコン、ソニー、オリンパス(現OM SYSTEM)といったカメラメーカーが一般向けに販売しているデジタルカメラです。最近人気のミラーレスカメラや、手軽に使えるコンパクトデジカメなどですね。誰にでも使いやすく設計されているのと同時に、競争の激しいコンシューマ向け製品ならではの高い性能が魅力です。

2. 顕微鏡撮影にデジカメがおすすめな理由

顕微鏡用カメラというと、箱型カメラの方がイメージが強いかもしれません。ちょっと調べただけでも多種多様な箱型カメラが出てくるので、正直迷ってしまっている方も多いのではないでしょうか。

箱型カメラは基本的にはイメージセンサーとUSB端子(もしくはHDMIなどの映像端子)を備えただけのシンプルな設計です。本体にはモニターや操作用のボタンなどを有しておらず、PCにインストールしたソフトから操作するのが一般的です。元々のベースは監視カメラなどの用途に作られたものなので、カメラ本体とは離れた場所でモニタリング・コンピューター制御するような仕組みになっているんですね。そのため、PCに接続する場合には制御ソフトウェアのインストール、OSに応じたカメラドライバーのインストールなどの初期設定作業が必要になります。

正直ここまで聞いて、難しそうだな・・・と思いませんでしたか?

そうなんです。手軽に写真や動画を撮影できる今の時代に、馴染みのない機材をあえて使うメリットがあるでしょうか?そんなシンプルな理由から、マイクロネットでは市販デジカメを使った顕微鏡撮影をおすすめしています。

おすすめな理由①・・・操作もセッティングも簡単

どれだけ高性能な一眼レフカメラであっても、シャッターを押せば写真が撮れるという分かりやすさはデジカメの大きな強みです。加えて最近ではほぼ全てのカメラが、常に最適な設定に自動調整してくれるプログラムオートモードを搭載しています。難しい設定は必要なく、誰でもシャッターひとつで最適化された画像を撮影できるんです。複数人が顕微鏡を使用する現場などでは、使用者全員が撮影機材に精通しているとは限りません。技術指導の手間もかからず、画像の品質も安定する。まさに「使いやすいは正義」ですね。また、ソフトのインストールも必要ないので、箱から取り出して顕微鏡に取り付けるだけですぐに撮影を開始できます。(顕微鏡への取り付け方法の詳細はこちら

おすすめな理由②・・・高解像で大きなセンサー

箱型カメラはその特徴として、センサーサイズが小さく、解像度の低いものが一般的です。対してデジカメのセンサーサイズは大きく、解像度も圧倒的に高いという特徴があります。これにより撮影範囲が広くかつ高画質な顕微鏡像を撮影できます。前述の通り箱型カメラのベースは監視カメラ用途に作られたものなので、24時間365日駆動しても熱をもたず省電力な、小型で低画素のセンサーが採用されています。一方で近年のデジカメはより高品質な画像・映像を追求するために、高画素化・センサーも大型に進化してきました。長時間連続で録画をしたいという場合は前者の方が向いていますが、広くきれいな顕微鏡像を撮影したいということであればデジカメがおすすめです

箱型カメラ デジカメ
画素数 100万画素〜500万画素 程度 1,200万画素〜2,620万画素
センサーサイズ
1/2.3(5.9×4.4mm)〜1型(13.2×8.0mm) APS-C(23.4×16.7mm)〜フルサイズ(36.0×24.0mm)
おすすめな理由③・・・機材周りがシンプルになる

箱型カメラは基本的にカメラ本体にモニターやボタン類を搭載していないため、PCや液晶テレビなどを別途用意しなければならず、顕微鏡周辺の機材構成が複雑になりがちです。デジカメであれば、モニターはもちろんバッテリーも内蔵のため、完全スタンドアローンで使用できます(必要に応じてACアダプター給電やPCコントロール接続が可能な機種もあります)。

おすすめな理由④・・・カメラ単体でも使える

デジカメは、顕微鏡から外せばカメラ単体での撮影が可能です。顕微鏡像だけではなく、サンプルのマクロの写真、サンプルを採取した場所の写真、サンプルのラベル情報の写真など、検査・研究・調査などに関わる画像・映像記録を一括で撮影・管理することができます

おすすめな理由⑤・・・長期的な安定性

PC上のソフトウェアで制御する箱型カメラには、PCアップデートの問題が付きまといます。「昨日まで使えてたのに、アップデートを行ったらカメラを認識しなくなった・・・」といった事態を経験されている方も多いのではないでしょうか。セキュリティーの観点から定期的なアップデートが必要不可欠になった昨今においては無視できない問題です。対してデジカメは、先述の通りカメラ単独で稼働するため周辺機材の影響を受けることはありません。データの受け渡しもSDカードなので安心です。

いかがでしたでしょうか。以上のことを踏まえ、実際に顕微鏡撮影におすすめのデジカメを2機種ご紹介します

3)顕微鏡の接眼レンズ部へ取り付けるのにおすすめのカメラ

顕微鏡の接眼レンズを外した接眼部に取り付けるには小型で軽量なコンパクトデジカメ オリンパス TG-6 がオススメです。防水・防塵・耐衝撃性能に優れ、あらゆる現場で安心してお使いいただけるのも魅力です。レンズ一体式のコンパクトデジカメなので、顕微鏡から取り外せばすぐ一般撮影が可能なのも使い勝手が良い点です。

4)顕微鏡の三眼部(接眼部以外)へ取り付けるのにおすすめ

顕微鏡の三眼部(Cマウントや写真鏡筒、サイドポートなど)へ取り付ける場合にはカメラの大きさや重さは無視できます。中でも最もオススメなのは、キヤノン EOS R10 です。タッチ操作が可能な可動式液晶を搭載しているため、設置方向に関わらず液晶を見やすい位置に動かせます。さらにEOS R10はカメラ単独での使用だけではなく、PCに接続してPCからコントロールすることできます。そう、デジカメでありながら箱型カメラと同じように使うこともできるんですね。さらにHDMIケーブルを使って外部モニター出力も可能です。デジカメならではの高品質な撮影性能と、箱型カメラのPC制御・モニター出力のメリットを両立したまさにパーフェクトなカメラです。

5)まとめ

いかがでしたでしょうか。改めて、顕微鏡撮影にデジカメ(ミラーレス一眼カメラやコンパクトデジカメなどのコンシューマ向けデジタルカメラ)をオススメする理由をまとめてみましょう。

YoutubeやSNSの発展にともない、数年前にはプロフェッショナル向けだった撮影性能を個人でも入手でき、簡単に扱える時代になりました。そんなデジカメのメリットを顕微鏡撮影においても活かさない手はありません!


最後に、デジカメの顕微鏡への取り付けにはマイクロネットの顕微鏡用デジカメ取り付けアダプターをぜひご検討ください。ハイスペックなデジカメの撮影性能を最大限に発揮する、歪み・収差のない高品質な光学レンズアダプターです。


それでは、また次の投稿で。